ニュートリノに関する研究でNNSOの構成メンバーが関与するプロジェクトは、スーパーカミオカンデと次世代のハイパーカミオカンデの二つです。
スーパーカミオカンデは、岐阜県飛騨市神岡町の地下に建設された世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置(直径39.3m、高さ41.4mの水槽と、壁に設置された光電子増倍管と呼ばれる約1万3千本の光センサーで構成)であり、その国際共同研究にはアメリカ、ポーランド、韓国、中国、スペイン、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、ベトナムなどの50機関・230人が参加しています。さらに、スーパーカミオカンデの8倍の容量を持つ次世代の水チェレンコフ観測ハイパーカミオカンデの建設が、同じ神岡地区で進んでおり、2027年に実験開始の予定です。このハイパーカミオカンデには22カ国が参加を表明しており、直径68 m、高さ71 mの水槽と、内壁には従来の2倍の感度を持つ高性能光センサーを約4万本備える計画です。
これらの研究ブロジェクトは、以下の3つの研究の柱により、素粒子の統一理論とともに、宇宙に存在する物質の根源と進化の謎に挑みます。これらの目的のため、ハイパーカミオカンデ実験では、スーパーカミオカンデの10倍近い容量を持つ観測装置と、日本で開発された高い精度のニュートリノ実験の成果を擁するJ-PARCによる高エネルギーニュートリノビームを組み合わせます。